2008年04月01日
大洋塩ビ、輸出価格を再引き上げ
4月分、CFRトン1,130〜1,140ドルに
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大洋塩ビは、PVC(塩ビ樹脂)の最大の輸出先である中国向けの4月の輸出価格(CFR価格)をトン当たり1,130〜1,140ドルに引き上げることにしてこのほど同国の樹脂加工大手各社の同意を得た。3月の価格に比べると50ドルの値上げとなる。

 これで同社の対中輸出価格は、昨年12月の970〜980ドルをボトムに4ヵ月連続しての引き上げが実現した。同1,160〜1,260ドルの高値が続いた1988年1〜10月いらい約20年振りの高水準の再現となる。

 今回の価格交渉も引き続き同社がイニシアティブを取るかたちで進められた模様。これは、(1)同樹脂の国際市況が世界全体の需給の引き締まりと原燃料高を反映して上昇を続けていること(2)同国内の需要がパイプ向けやサッシ向けを中心に活発化してきたこと(3)同国による米国向けの加工製品の輸出が好調を維持していること(4)中国国産のカーバイド法PVCの価格が停電もあっての原燃料費の高騰で急上昇していること等の要因が重なり、原燃料費の高騰分の輸出価格への転嫁を目指す同社に取って一段と有利な条件が整ってきたためと見られる。ちなみに中国のカーバイド法PVCの最近の価格は8,200元で、昨年11月に比べると1,000元もの値上がりになっている。
 
 今回、中国の需要家各社が再引き上げを受け入れたのに伴い、他の国の需要家も同様の幅の値上げに同意していくことになりそうだ。また、5月の価格も国際需給がウエルバランスを維持していく公算が高いので世界全体で強含みで推移していくと見られている。