2001年05月29日
晝間電気化学社長が会見「守りから発展へ」強調
“負の遺産”消え、経営体質大幅改善
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:電気化学工業、東洋スチレン

 電気化学工業の晝間敏男社長は29日記者会見し、3月期決算の概要と今後の経営戦略、業績見通しなどを明らかにした。

 この中で「負の遺産処理が終ったので、これからは成長分野に重点を置き拡大路線をとりたい」と“守りの経営”から“発展・成長”を目指すとした新たな経営方針を明らかにした。

 同社長はまず2001年3月期決算が大幅増収増益となったことについて「負の遺産処理が終わり、事業全般にわたって深刻な案件がなくなったことが大きい」と説明、次の課題として、「新しい成長の芽をどう育てるかにある」と、事業部門ごとに現状や増設などの投資計画、見通しについて要旨次の通り説明した。

(1)電子材料分野は昨年来シンガポールの増設が完了し最適生産体制を確立した。IT関連は各社生産調整段階にあるが、今夏すぎには回復すると期待している。

(2)機能樹脂は引き続き好調で「透明樹脂」は60%、「クリアレン」は50%それぞれ増強した。今夏には再度能力アップしたい。

(3)コンクリート混和材も順調に伸び、各地でコンクリート構造物の補修・補強に使われている。JR西日本が近く本格採用する予定で、今後も期待できる。

(4)新規分野では医薬品原料「スベニール」(関節機能改善剤)が予想以上の売れ行きなので8月末には手直し増強する。2年後には倍増したい。国内市場規模は350億円といわれ当社のシェアは2割程度に達したと思うが、市場そのものが拡大しているという印象だ。

(5)東洋スチレンもスタート以来順調で、初年度から黒字、2年度目も利益をあげている。3社によるアライアンス効果は十分にあがっていると見ていい。原料SMについては十分に国際競争力をもっていると思う。内外とも景気の先行きは不透明だが、なるべく影響を少なくし着実にやっていくことが大事だ。