2008年04月08日
信越化学、世界最大級の永久磁石式磁気回路を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:信越化学工業

 信越化学工業は8日、永久磁石としては世界最大級となる大型磁気回路の開発に成功したと発表した。総重量は約10トンで、主に次世代半導体であるMRAM(注)や、MRセンサ(磁気抵抗素子)の製造工程時に用いられる。
 
 同社は以前からレア・アースマグネットを用いた多様な大型磁気回路を製造してきたが、今回開発したのは300ミリウエハー向けとして、世界に先駆けて導入したもので、直径1.4メートル×高さ1メートルの円筒形。総重量約10トンというサイズは、強磁場を発生する永久磁石回路としては世界最大級となる。
 
 永久磁石式回路で強磁場を発生させるには、複雑な磁石配列が求められるため、磁気回路の製作が困難で、これまでは内径100ミリ程度の小型品の製作が限界だった。
 
 信越化学は独自の解析によって磁石形状の最適化や製造工程の見直しを行ない、永久磁石式磁気回路の大型化を実現した。
 
 この大型磁気回路は、半導体関連以外でもHDDドライブヘッドの高性能化、医療機器および基礎研究用途等、安定した強磁場発生源が求められる分野で今後利用が期待されるという。
 
 
(注)MRAM :磁気抵抗ランダムアクセスメモリ。磁気によりデータを記憶する次世代メモリデバイスで、高速化かつ高集積化が可能となる。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1207643309.pdf