2008年04月11日
三井化学、EPTの増設プラントの営業運転を開始
「タフマー」の併産もあって早くもフル稼働
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品、新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、4月入りとともに市原工場内でETP(エチレンプロピレンターポリマー・商品名;三井EPT))の増設プラントの営業運転を開始した。昨年11月に完工したあと入念に試運転してきたが、併産するアルファーオレフィンコポリマー(商品名;タフマー)も含め、全ての品種を安定的に生産できる確証が得られたため営業運転に切り替えた。
 
 同設備の年間生産能力は75,000トン。1系列単位ではこれが世界最大規模となる。従来の最大規模は30,000トンであったが、今回の設備は一気にそれを更新した。これにより同社のEPTの総生産能力は同120,000トンとなった。

 今回の増設は、自動車部品向けを中心に国の内外で順調に拡大を続けている工業用品分野の需要に対応していくことを目的に実施された。熱可塑性汎用樹脂の改質材向けを中心に同じく急成長を遂げている「タフマー」の需要にも適応していける点が強みとなっている。
 
 このため営業運転入り早々からフル稼働が続いているという。同社では、「タフマー」の需要増に対処するためシンガポールに同100,000トンプラントを増設することにして3月末から工事に入っている。完工は09年9月の予定で、この結果「タフマー」の総設備能力も235,000トンへと大幅に拡大する。それまでは、今回の「三井EPT」の増設プラントがこれら2種類の製品の需要増に対応していくことになる。

 これらの総投資額は約400億円となる。かなりの設備投資だが、需要が国際的に引き続き拡大していく見通しなので、同社では海外を中心に今後も再投資していく構えだ。