2008年04月18日
L-LDPEも3月の出荷が大幅減に
2月の輸入の大幅増が影響か
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の3月の出荷数量は76,725トンで、前年同月の実績を12%下回った。最近では見られない大幅な縮小ぶりで、汎用樹脂の3月の実績の中ではPPに並ぶ大きな減少率となっている。

 うち国内向けは63,952トンで同11%減、輸出は12,773トンで同16%減で、合計で前年同月の実績を10,580トン下回っている。

 この要因の一つとしては、三菱化学・鹿島事業所の第2エチレンプラントの火災による運休で日本ポリエチレンのL-LDPEの生産・出荷量が大幅に縮小したことが挙げられる。また、値上げ前に発生した前倒し需要の反動が出たとの見方もある。

 しかし、同樹脂の2月の輸入量がかつてない大きな伸びをみせたことが国産品の国内向け出荷の減少をもたらしたとする見方が有力となっている。同樹脂の2月の輸入通関数量は前年同月の2.14倍に相当する28,080トンとなった。

 三菱化学の事故発生に対処して大手商社や需要家がいっせいに海外玉の緊急手当てに乗り出した結果が輸入量の急増となって表れ、それによって国産レジンの出荷が大幅減少したというわけだ。

 同樹脂の3月の国内向けの出荷数量を前年同月に比較すると、8,060トンの減少となる。一方の2月の輸入の増加量は14,925トンとなっている。3月の総需要量のうち2月の輸入品がどのていどを占めてかは不明だ。なお2月の輸入では韓国品が4.7倍入っている。