2008年04月21日
出光興産、“松枯れ病”を守る微生物害虫防除剤を発売
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:出光興産

 出光興産は21日、松の樹木の病気「松枯れ病」を蔓延させるマツノマダラカミキリを死滅させる微生物ボーベリア・バシアーナ菌を用いた微生物害虫防除剤「バイオリサ・マダラ」(商品名)を開発、21日から発売すると発表した。

 景勝地などの松林に大きな被害をもたらす松枯れ病は、マツノザイセンチュウという線虫が引き起こす病気だが、この線虫は樹間の移動ができず、マツノマダラカミキリに入り込み、これを媒体にして樹間移動する。このためマツノマダラカミキリを防除することが「松枯れ病」の被害拡大を防ぐ有効な手段となる。

 現在はマツノマダラカミキリを防除するために、くん蒸処理しているが、それには樹木をシートで密封する必要があり、強い刺激臭もあるなど作業が難しかった。

 今回発売する「バイオリサ・マダラ」は、マツノマダラカミキリに寄生して死滅させるカビの一種、ボーベリア・バシアーナ菌を有効成分とする微生物殺虫剤で、この菌に感染したマツノマダラカミキリは、感染後2週間以内に死滅する。

 人畜には無害で、農薬拡散や臭気がないため、観光地やゴルフ場など人が集まる場所でも安心して使用できる。使用方法は簡単で、伐採した松に取り付けるだけでよい。自然分解するため回収する必要もない。
 
【商品概要】
◇農林水産省登録 : 登録番号 第21905号(登録日:2007年2月21日)
◇製造・発売元 : 出光興産
◇荷姿 : 幅2.5センチ×長さ50センチのシート100本入り
◇希望小売価格 : 35,000円

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1208764493.pdf