2008年04月22日
PSの出荷、3月は再び前年同月を下回る
1Q計も国内向けの不振で前年同期割れ
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が22日に明らかにしたところによると、PS(ポリスチレン)の3月の総出荷数量は74,816トンで、前年同月の実績を11%下回った。2月の総出荷量は前年同月を3%上回ったが、3月は国内向けが同11%減の71,345トンへと大きく縮小したため出荷トータルも再び前年同月割れに転じることとなった。一方の輸出は3,471トンで、同4%増となっている。これで同樹脂の月間輸出数量は15ヶ月連続の前年同月超えとなった。

 国内向けが前年同月を割り込んだのは、包装用を除く全ての分野向けの出荷が大幅に縮小したため。包装用はHIシート向けとOPS向けの需要の好調を支えに3%増えたが、他の分野は電機・工業用が11%、雑貨産業用が29%、FS用が24%それぞれ前年を下回った。電機・工業用の縮小は、デジタル家電を除く生活家電向けが不振であったためと同工業会では分析している。
 
 生産量は73,630トンで前年同月の横並びとなった。この結果、月末在庫は6%増えて109,023トンとなっている。

 このように3月の総出荷量が前年同月を大きく下回ったため1〜3月期トータルの出荷量も前年同期割れとなった。同期の総出荷量は210,414トンで、前年同期の実績を5%下回っている。

 輸出は9,986トンで前年同期を18%上回ったが、肝心の国内向けが200,428トンで同6%減となったためトータルでは再び前年同期割れに転じることとなった。この場合も、電機・工業用が1%減となって9・四半期ぶりの前年同期割れとなったのと、雑貨・産業用が25%減、FS用が15%減とそれぞれ大幅に縮小したのが響いている。雑貨・産業用とFS用はともに今年に入ってからの3ヵ月全てが前年割れとなっている。総生産量は224,067トンで、前年同期を4%上回っている。

 続く4〜6月期の出荷については、同樹脂メーカーの多くが「国内向けの需要の早期回復があまり期待できないので前年同期を1〜2%下回ることになるのではないか」(水谷茂・PSジャパン社長ら)と予想している。

【関連ファイル】
1〜3月実績
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1208855755.tif