2008年04月22日
SMの出荷、3月も前年比17%減と不振
1Q合計も輸出の縮小で前年を12%下回る
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が22日に集計したところによると、SM(スチレンモノマー)の3月の総出荷数量は240,253トンで、前年同月の実績を12%下回った。これでSMの月間総出荷量は3ヵ月連続の前年同月割れとなった。

 3月の出荷が前年同月を下回ったのは、輸出が同30%減の97,078トンと引き続き不振であったのに加えて、国内向けが同5%減の143,175トンと3ヵ月振りの前年同月割れになったため。
 輸出の縮小の要因としては、SMプラントの定修の集中と三菱化学・鹿島事業所の事故が重なったことによって輸出余力が一段と減少したことと、原料高に伴う輸出採算の悪化を睨んでSM各社が輸出成約量の抑制に踏み切ったこと、の2点が挙げられそう。この結果、SMの月間輸出数量は3ヵ月連続の前年同月割れとなった。しかも縮小率は1月が28%、2月が27%、3月が30%と全てこれまでなく大きい。

 一方の国内向けの減少は、ABS向けとEPS向けが大きく落ち込んだため。GP/HI向けと合成ゴム向けはわずかながら前年を上回ったがABSとEPSの大幅減をカバーするには遠く及ばなかった。

 生産は232,364トンで、前年同月を19%下回った。4ヵ月連続の前年同月割れである。3月の縮小率が特に大きいが、これは定修のため運休した工場が前年同月の1社・1工場から4社・4工場に拡大したことによるもの。
 月末在庫は102,450トンで前月より12%増えている。しかし前年同月に対しては5%少なく、しかも4〜6月期も定修による運休プラントが多いので4月以降に縮小するのは確実と見られている。


 3月の生産・出荷がこのようにいずれも前年同月を大きく下回ったこともあって、1〜3月期トータルの実績もともに前年同期割れとなった。
 総出荷量は784,490トンで前年同期を12%下回っており、生産は784,505トンで同13%減となっている。
 出荷のうちの国内向けは477,147トンで前年同期を3%上回った。合成ゴム向けが同16%増と好調を維持したのと、GP/HI向けが6%増と着実な伸びを遂げたことによる。しかし輸出が307,343トンで同28%もの減少となったため出荷トータルは大幅な前年同期割れに転じることとなった。
 

【関連ファイル】
1〜3月実績
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1208855713.tif