2008年04月24日
アジア市場でエチレン相場が続伸
定修が集中する極東では1,400ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 複数の大手商社によると、アジア地域におけるエチレンのスポット相場が一段高となっている。
 
 特に極東における上昇率が大きく、直近の平均CFR価格は1週間前をさらにトン40ドル前後上回って同1,400ドルに達している。今年のボトムの3月第1週の平均価格に比べるとおよそ200ドルの上昇となる。
 これには、日本と韓国のエチレンセンターの間で定修入りするところが相次いでいて市場に先行き供給不安感が広がっていることが大きく作用していると見られる。現在極東では、旭化成・水島(山陽エチレン)の年産504,000トン設備、東ソー・四日市の同527,000トン設備、韓国・ロッテデサンの同650,000トン設備、同・KPICの同470,000トン設備が定修のため運休中。しかも5月に入ると、これらに替わって丸善石油化学・千葉、三菱化学・鹿島、同・水島のエチレンプラントが定修で運休する。このため極東の需要家の間には同地域全体のエチレンの需給バランスが当分タイトのまま推移するとの見方が広がっており、しかも折からのナフサ価格の再上昇もあってサプライヤー側の高値オファーが通りやすくなっている。 
 なお、東南アジア地域のスポット相場も上昇を続けていて直近の平均CFR価格は同1,300ドルとなっている。