2008年04月28日
汎用4樹脂の1Qの出荷、包装用が順調な伸び
雑貨用やコンテナー用は多くの樹脂が不振
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 経産省化学課は28日、汎用4樹脂(ポリオレフィン3樹脂とポリスチレン)の今年1〜3月期における需要分野別の出荷実績をまとめた。
 
 この中では、4樹脂とも包装用が着実な伸びを遂げている点が注目される。PSの最大消費品種の包装用は4%伸びており、また、PPのうち消費量が射出成形用に次ぐ2番目の規模のフィルム用は2%増となっている。LDPEとHDPEの最大消費品種であるフィルム用はともに前年同期を1%上回っている。

 これらの樹脂関係者の多くは、汎用樹脂の中でも最も汎用色が濃い包装用が軒並み前年同期を上回った最大の要因として、前倒し需要の発生を挙げている。ナフサ高による各樹脂の値上げが避けられないと判断した多くの加工企業があらかじめ1月と2月に余分の玉を手当てしたことが大きく作用したとの分析である。

 他の品種では、LDPEの射出成形用の9%増、HDPEの繊維用の12%増、PPの同じく繊維用の8%増などが目を引く。いずれも、ナフサ価格連動型の価格決定システムになっていないことが前倒し需要を誘発したためと見られている。

 逆に前年同期を下回った品種としては、LDPEの中空成形用の8%減、HDPEの射出成形用の7%減、PPの同じく射出成形用の6%減、PSの雑貨用その他の25%減等が特に目を引く。うちHDPEとPPの射出成形用の減少は、雑貨用とパレット・コンテナー用の需要の縮小によるところが大きいと見られる。