2008年05月01日
日本勢によるナフサの契約価格、4月は940ドル半ばに
月間の史上最高値を再び更新、1年前の38%高
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:なし

 エチレンセンター筋の調べによると、わが国の商社や石油企業並びに石油化学企業等が国際スポットマーケットで4月中に契約した石油化学用ナフサの月単位の平均C&F価格はトン当たり940ドル台半ばとなった模様。月単位の史上最高値をわずか1ヶ月で更新したことになる。
 
 3月の平均価格は同896ドル強であったので、4月の上昇率はおよそ4.9%ということになる。昨年8月の同667ドル強をボトムに8ヶ月連続の上昇であり、前年同月の平均価格に比較すると38.3%もの値上がりとなる。
 4月の契約分がわが国に到着する5月下旬から6月下旬にかけてのCIF価格は、為替を1ドル104円と仮定するとプレミアム価格を含めて1キロリットル当たり6万9,000円弱となる。国産ナフサは7万1,000円弱となる計算だ。
 
 4月のスポットものの契約価格が続騰となったのは原油のスポット相場が一段高となったため。WTIを例に取ると、4月の平均価格は3月を6.7%上回っている。前年同月比は75.6%高となる。ナフサのC&F・日本のアップ率はそれに比べればかなり低い。北西欧のCIF価格の上昇率はさらに低く4.6%となっている。国際需給バランスが原油ほどタイトでなく投機の対象になりにくいことによるものと見られる。しかし原油に対する投機にブレーキがかからないかぎりナフサのスポット価格の続騰も避けられず、石化業界も引き続き苦闘を余儀なくされる。