2008年05月02日
ポリオレフィンの輸入、異例の大幅増が続く
PP-Cの1〜3月期は前年同期の2.4倍に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィンの輸入の増加が続いている。中でも増加が顕著なのはL-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)とPP-C(ポリプロピレンコポリマー)の2品目。1〜3月期の総輸入量はL-LDPEが前年同期の91.6%増、PP-Cが2.42倍となっている。

 四半期単位の輸入がこれだけ大きな伸びを遂げるのはポリオレフィンでは極めて異例のこと。これには、三菱化学が鹿島の第2エチレンプラントの事故による供給減を回避するため緊急輸入に乗り出したのと、大手商社や大口ユーザーが当面の品不足を防ぐため海外品の臨時調達に踏み切ったことが大きく作用していると見られている。各社の発注先には北米やサウジアラビアといった遠隔地も存在する。4月の輸入量も引き続き前年を大きく上回る規模に達したと見る向きが多い。

 3月のポリオレフィンの輸入通関統計の中で前年同月を特に大きく上回ったのは、L-LDPE、PP-H(PPホモポリマー)、PP-Cの3品目。それぞれの同月の輸入量は、L-LDPEが28,372トンで前年同月の2.19倍、PP-Hが2,821トンで同30.9%増、PP-Cが16,426トンで同2.94倍となっている。

 L-LDPEの中では韓国品の7,620トン(前年同月比4.55倍)、台湾品の5,826トン(同5.77倍)、米国品の5,048トン(同29.5%増)、サウジ品の3,654トン(同16.5%増)などが目を引く。PP-Cでは韓国品の6,393トン(同2.05倍)、米国品の4,462トン(同7.76倍)、シンガポール品の3,723トン(同6.75倍)などが目立つ。

 1〜3月の累計は、L-LDPEが78,974トンで前年同期比91.6%増、PP-Hが8,015トンで同19.0%増、PP-Cが39,692トンで同2.42倍となっている。L-LDPEでは韓国品が19,695トン(3.57倍)でトップを占め、台湾品、米国品、サウジ品が続いている。PP-Cでもトップは韓国品の14,649トン(同58.5%増)が占め、米国品とシンガポール品が追っている。

 これらの樹脂の日本国内の1〜3月期の出荷の減少にはこうした海外品の輸入の大幅増も少なからず影響していると見られる。