2008年05月07日 |
EVAの出荷、3月も引き続き好調 |
国内向けは6ヵ月連続の前年同月超え |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
EVA(エチレン酢ビコポリマー)の出荷の好調が続いている。同樹脂の3月の総出荷数量は18,882トンで、前年同月の実績を3.5%上回った。 汎用樹脂の中で3月の出荷が前年同月を上回ったのはこのEVAだけ。これで同樹脂の月間出荷数量は6ヵ月連続の前年同月超えとなった。同樹脂の3月の出荷の内訳は、国内向けが前年同月比1.9%の12,353トン、輸出が同6.1%増の7,529トンとなっている。国内向けは6ヵ月連続の前年同月超えとなった。一方の輸出は2ヵ月連続にとどまっているが、それでも過去6ヵ月のうち前年同月を下回ったのは同16.4%減となった1月だけで、他の5ヵ月は全て大幅な前年同月超えとなっている。 うち国内向けの出荷の伸びには、太陽電池パネルのシール材用の需要が再び活発化してきたことが大きく寄与している模様。同シール材用が大半を占めると想定される一般成型品用とフィルム・ラミ・シート用とを合計した3月の総出荷数量は9,576トンで、国内向け全出荷量の77.5%を占め、前年同月に対する伸び率は7.2%に達している。 一方の輸出増の最大の要因は、スポーツシューズ向けを中心とした発泡品種が中国や東南アジア各国で人気を呼んでいる点にあるようだ。 同樹脂業界筋によると、同樹脂の需要は4月に入っても引き続き国内と海外の双方でともに活発という。対する供給能力はこのところ逆に減少傾向を辿りつつある。これは、同樹脂を併産するHP-LDPE(高圧法低密度ポリエチレン)メーカーのうちチュ−ブラープロセス設備の保有率が高いため酢ビのコンテントが大きいEVAを作りにくい事情を持つ企業が減産を余儀なくされつつあるせいと見られている。このため同樹脂の需給バランスは月を追って逼迫の度合いを強めると予想されている。 |