2008年05月07日
汎用樹脂の対中輸出、3月は全て前年を下回る
縮小率が軒並み2ケタに、1Q計も全品目が前年割れ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の3月の中国向け輸出通関数量(香港向けを含む)は、合計6品目の全てが前年同月の実績を下回った。しかもどの樹脂も縮小率がこれまでになく大きく、全てが2けたのマイナス成長となっている。
これに伴う1〜3月期の実績も全品目が前年同期を下回っており、わが国の汎用樹脂企業の間には、対中輸出戦略が大きな曲がり角に差し掛かったとの見方も広がりつつある。

 汎用樹脂の中でも対中輸出の不振が特に目立つのは、LDPEとHDPEの両ポリエチレン。ともに3月が前年同月を下回ったのに伴い9ヶ月連続の前年同月割れとなった。3月の対前年同月比も前者が70.0%、後者が74.9%と低い。またPPも、ホモポリマーとコポリマーの両品種がともに3ヵ月連続の前年同月割れとなっている。
 これらのうちのHDPEを除く3品目の不振には、三菱化学のエチレンプラント事故による大幅減産と中国の大手需要家の買い控えが少なからず影響していると見られている。
 
 残るPSとPVCの場合は、前年同月を大きく上回った2月から一転して大幅減となった。うちPVCの縮小には、三菱化学の事故のあおりを受けた信越化学の成約減も影響していると見られる。

 汎用各樹脂の3月の輸出通関数量と1〜3月の累計は以下の通り。かっこ内は前年比。
▽LDPE=7,680トン(70.0%)  20,973トン(72.1%)
▽HDPE=7,292トン(74.9%)  19,640トン(72.1%)
▽PP-H=14,770トン(47.3%) 41,903トン(62.6%)
▽PP-C=4,146トン(67.4%)  11,055トン(66.4%)
▽PS=4,808トン(85.4%)   14,131トン(99.6%)
▽PVC=41,377トン(76.1%) 116,475トン(80.8%)