2008年05月12日
PXの5月のACP、1,290ドルでほぼ決定
PX側が譲歩して4月比30ドル高で大方が合意
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 新日本石油、出光興産、エクソンモービルなど大手リファイナリーと三菱化学や三井化学などアジア地域の大手PTA企業との間で進められてきたPX(パラキシレン)のコントラクトものの価格(ACP)の5月分の交渉は、トン当たり1,290ドルとすることでほぼ決着となった。
 エクソンモービルなど一部のサプライヤーは1,300ドル台への引き上げに固執してアジア地域のPTA企業に引き続き受け入れを強く求めているが、同意を得られる可能性は低いというのが関係筋に共通した見方となっている。
 
 5月のACPの交渉が1,290ドルで最終決着すると、4月の価格を30ドル上回ることとなる。2月の1,170ドルをボトムに3ヵ月連続の上昇となる。
 PXメーカー側の当初のオファー価格は1,350〜1,390ドルというかつてない高値であった。しかしかねてから中国向け輸出の採算割れに頭を痛めているPTA各社が上げ幅の縮小を強く求め、またPXのアジア地域におけるスポット相場が頭打ちとなってきたこともあって、多くのPX企業が譲歩するかたちとなった。
 
 これに伴い今後の焦点は、PTAメーカーとPTAの最大消費国である中国のポリエステル大手との間で行われるPTAの輸出価格交渉の行方に移ることになる。中国向けのPTAの価格は、PX見合いの価格への底上げを強く希望するPTA側とポリエステル繊維の需要と市況の低迷を理由に据え置きを求めるポリエステル企業との対立が続いていて4月分さえまだ決まっていない。わが国のPTAメーカーは、そうした中でPXの5月の価格がさらに引き上げられただけに長期戦になっても輸出価格の是正は何としても実現するとしている。