2008年05月12日
氷を使用しない人工スケートリンクの実現へ
三菱化学グループ企業が専用パネルを輸入販売
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品、新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三菱樹脂

 三菱樹脂のグループ会社の一つで人工芝の大手企業として知られる株式会社アストロ(本社;東京都中央区日本橋本石町。資本金5,000万円。白根澤道明社長)は12日、氷のいらない人口スケートリンク用の専用パネル(商品名;XTARICE=エクストラアイス)を6月から日本国内各地で販売することにしたと発表した。

 スペイン・エクストラアイス社がスペインセビリア大学等の協力を得て開発し世界各地で普及しつつある同パネルを輸入販売していく。同パネルは、高密度ポリエチレンに特殊な添加剤を加えて厚み2.0cm、滑走表面積1.965m×0.965m、重量38kgの高耐久性シートに加工したもの。

 このシートを平坦なスペースに任意の枚数だけ敷き詰めて専用のシリコーン系ワックスを散布するだけで、面積や場所、季節を問わず簡単にスケートリンクに仕上げることができるという。パネル同士は専用の停め具で簡単にジョイントでき、撤去も容易とのこと。

 滑走性能は本物の氷に限りなく近く、このため通常のスケート靴をそのまま使用して異なる気温や天候のもとでも氷のリンク同様の快適なスケートを楽しむことができるという。裏表の両面が使用できるので10年間は同じパネルを使い続けることが可能と説明している。

 従来のアイススケートリンクと異なり製氷と維持に大量の電力を消費しなくてすむ点も強みの一つと同社では強調している。価格は1〓当たり6〜7万円。エクストラアイス社による過去4年の設置先は11ヵ国合計で50ヵ所におよんでいる。

 アストロ社では、「5年後に少なくとも年間2〜3億円の売上を実現、将来は10億円を目指す」(白根澤社長)としている。