2008年05月13日
東ソー、VCMの中国向け輸出価格を再引き上げ
5月分、前年月比70ドル高の960〜970ドルで成約
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーは、VCM(塩ビモノマー)の5月の中国向け輸出価格(CFR価格)をトン当たり960〜970ドルに引き上げることにしてこのほど同国の大手PVC(塩ビ樹脂)メーカー各社の同意を得た。

 4月の価格は同890〜900ドルで、3月分に比べると同40ドル高となったが、5月分はそれをさらに同70ドル上回ることになる。これで同社のVCMの対中輸出価格は、昨年11月の同730〜740ドルをボトムに6ヶ月連続して引き上げられることが決まった。

 これには、PVCの国際需給バランスの改善に伴って同樹脂の価格が国際市場でも中国国内市場でもともに月を追って上昇するようになってきたことが大きく作用している模様。現に、わが国のPVC最大手の大洋塩ビによる5月の中国向け輸出価格は4月比同40ドル高の同1,170〜1,180ドルに引き上げられ、5ヶ月連続の値上げが実現している。直近のボトムの昨年12月以降の上げ幅は合計で同200ドルに達している。

 関係者の多くは、今後もしばらくはPVCの需給と市況に大きな変化はないと判断できるのでVCMの対中価格も当分の間強い含みで推移する公算が濃いと予想している。