2008年05月14日 |
経産省、化学の省エネ・温暖化対策のあり方の調査へ |
専門企業に委託、7月には中間報告も求める |
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全) 【関連企業・団体】:経済産業省 |
経済産業省化学課は今年6月から、化学産業における省エネ・温暖化対策のあり方に関する調査研究を開始することになった。 主な実施内容は(1)適正なベンチマーク指標の構築に向けた統計などデータの収集・分析(2)国際比較が可能なベンチマーク指標の構築に向けたスキームの検討(3)企業等へのアンケート調査を通じての国内化学産業のCO2排出削減可能量の試算--の3項目。 実施期間は来年1月30日までの8ヶ月。実施に当たっては専門企業を起用していく。このため5月16日までに受託希望企業に入札書と提案書の提出を求め、20日に開札して委託先を決定する。 受託企業に対しては、企業、業界団体、大学等の有識者5名ていどで構成される検討委員会を3回ていど開催して前記3項目の調査研究結果や国際的観点に立って化学産業が取り組んでいくべき課題等について審議を要請し、そこで得られた結論をベースに報告書を取りまとめるよう求めていく。また、化学産業が自動車や家電など多くの需要業界に不可欠な多種多様の部材を安定的に提供していく立場にある点を考慮、関連産業界への貢献度合いの可視化に向けた議論と指標化のための適正な手法の検討も行うよう要望していく。ただし7月には洞爺湖サミットが開催されるので、それにタイミングを合わせた中間報告書の作成も求めたいとしている。 化学課がこうした内容の調査研究を実施していくことにしたのは、08年1月のダボス会議において「2020年までに30%のエネルギー効率の改善を各国共通の目標とすべき」といった意見の表明や、「科学的かつ透明性の高い尺度としてエネルギー効率などをセクター別に割り出し、その上で今後活用される技術を基礎にCO2の削減可能量を積み上げるのが妥当」といった具体的施策の提案が相次いだことにも象徴されるようにCO2の排出削減を巡る論議が一段と活発化してきたこともあって、わが国の産業部門全体のCO2排出量の約20%を占める化学業界の省エネ・温暖化対策の加速化の促進が同省に取って極めて重要になってきたと判断したため。 同課ではこれに先駆け、主要化学企業に対して化学分野の中長期的な省エネ有望技術に係わる情報と提案の提供を要請するなどで行政ニーズの把握に努めてきている。 |