2008年05月16日 |
昭電“環境にやさしい絶縁用樹脂”開発で「化学・バイオつくば賞」 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工は16日、独法産業技術総合研究所(産総研)と共同開発した“環境にやさしい絶縁保護膜用樹脂”の開発が、将来の産業発展に寄与するとして評価され、化学・バイオつくば財団から「第16回化学・バイオつくば賞」を受賞することが決ったと発表した。 過酸化水素によるクリーン酸化技術を基盤とした革新的な絶縁保護膜用樹脂で、エレクトロニクス向けの高性能材料を、塩素化合物を使わず、廃棄物の発生を抑制して生産するため、環境負荷の低減が可能となる。世界初技術。 絶縁用樹脂は、大型液晶ディスプレーや携帯電話などのあらゆる電子回路を被覆し保護する材料として使用されている。従来の樹脂には塩素化合物が含まれているため、経年劣化によって塩化水素が発生し、電気絶縁性が損なわれ、回路配線がショートするなどの問題が生じていた。一方電気絶縁性向上のため耐熱性を高めると、樹脂の柔軟性が低下し用途が限定される欠点があった。 今回、塩素化合物に代えて過酸化水素を使用し、新開発した硬化剤を組み合わせることにより、従来品に対して100倍以上の絶縁性を安定的に長期間維持し、あわせて高い柔軟性をもつ革新的な電気絶縁保護膜用樹脂の開発に成功した。製造時に環境汚染物質を排出しないのも大きな特徴。 同社は今後、微細配線が求められるエレクトロニクス分野向けにサンプル配布を行ない、マーケティング活動を開始する。2009年〜2010年内の企業化を目指す。 なお、表彰式・受賞記念講演会は、5月20日につくばで行われる。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1210906338.doc |