2008年05月16日
新生・三菱樹脂の吉田社長会見「新商品開発と海外展開に重点」
新中計「2010年度売上高4,700億円、営業利益340億円」目指す
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱樹脂
吉田 宏社長

 統合新社として4月1日にスタートした三菱樹脂の吉田宏社長は16日記者会見し、経営の基本方針と08〜10年を実行期間とする中期経営計画の概要を明らかにした。

 基本方針では「社会貢献を主眼とする企業理念と、開発型企業を目指すビジョン、さらにCSR経営の完遂と統合シナジーの実現を柱とする経営方針を軸とし、新商品開発と海外展開に積極的に取り組み持続的成長を図りたい」と、展望を述べた。

 中計では「2010年度に売上高4,700億円、営業利益340億円、ROA8.3%を実現し、2012年度には売上高5,000億円以上、営業利益500億円以上に引き上げる」との目標をかかげた。ただ「現在、2015年のあるべき姿を検討中なので、今後調整もありえる」と上方修正に含みを持たせた。

 また、開発型企業を目指す企業ビジョンの実現に当たっては、「シナジーを活かした高機能商品の開発の加速と、テクノロジープラットフォームを基盤とした市場への新商品展開を重点テーマに、自動車、太陽電池、情報電子、環境・エネルギー、次世代ディスプレー、バイオポリマー等の成長市場のニーズに的確に対応していく」と強調した。
 
 一方、「透明ハイガスバリアフィルム、高機能PETフィルム、カーボンファイバー・コンポジット等、世界でもナンバーワンの地位を占める当社特有の高機能製品の事業の拡充にも一層力を入れていく」とした。

 海外展開では「現在20%強の海外売上げ比率を12年までに40%強に引き上げたい。世界でも圧倒的シェアを持つ製品が少なくないし、またこれからも高機能商品を開発していくので、十分実現可能な目標だ」と意欲を示した。

 3カ年の設備投資額は1,000億円、R&D投資額としては300億円を予定。設備投資のおよそ60%は成長戦略製品向けに、R&D投資の50%以上は情報電子材料向けと重点を定めている。

 なお同社は、今年4月1日から三菱樹脂、三菱化学ポリエステルフィルム、三菱化学産資、三菱化学MKVの4社と三菱化学の機能材料事業部が統合し、一つの会社に生まれ変わって新発足した。