2008年05月19日 | |
田村・宇部興産社長会見「収益重視の経営」強調 | |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:宇部興産 |
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宇部興産の田村浩章社長は19日記者会見し、07年度決算と08年度業績予想、中期経営計画「ステージアップ 2009」の進捗状況などを説明した。 この中で、07年度の業績は順調で、売上高、営業利益はすでに09年度の中計目標を2年前倒しして実現したと報告。今後は「成長戦略事業」であるポリイミド、半導体・電子材料、電池材料、ガス分離膜、ファインケミカル、リサイクルの各事業と、将来的に成長性の高い「育成事業」である航空宇宙材料、機能性無機材料、医薬各製品の開発に集中的に経営資源を投入する。 「中核基盤事業」では、カプロラクタム・チェーン強化のため、アジアで需要が増えているナイロン6樹脂と、世界的に高い伸びを続けるナイロン12樹脂を増産するため、タイと宇部工場で手直し増設を実施する。ポリイミド、合成ゴムなど「強み」のある事業は、引続き拡大・強化していく。 石油価格の高騰に伴い見直し機運が広がる「石炭事業」は好調で、06年度の売上高309億円(営業利益27億円)は、07年度464億円(46億円)に拡大、08年度は587億円(49億円)を見込む。中計の09年度目標は売上高355億円、営業利益28億円なのですでに達成済み。 今後はコールセンター設備を増強して貯炭能力の拡大を図る一方、豪州、中国に片寄りがちな輸入先をインドネシア、ベトナムなどへ広げて、輸入ソースの多様化を図る。またコストの安い低品位炭の活用技術開発を促進し、競争力のあるエネルギーを安定確保する。 07-09年度の設備投資額は合わせて1,050億円の見込み。このうち「新規・能力拡大」分野への投資額は36%の380億円。内訳は、最大の成長戦略事業に61%、育成事業に11%、中核基盤事業28%となっている。 田村社長は「経済の先行きは不透明。幅広い事業を展開しているため対応が難しいが、安定した収益基盤を確立し、グループ全体でバランスのとれた発展を目指していきたい」と、収益重視の考えを強調した。 |