2008年05月20日
PSの4月の生産は定修の集中で15%減に
SMも生産と出荷の両方が引き続き前年割れ
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が29日に集計したところによると、PS(ポリスチレン)の4月の総生産量は71,844トンで前年同月の実績を15%下回った。定修のための運休工場数が前年同月の1社・1工場から2社・3工場に増えたことによる。3ヵ月振りの前年同月割れとなった。

 一方の総出荷量は73,227トンで前年同月を5%下回った。3月に続いての前年同月割れである。
 これは、輸出が前年同月を8%上回った一方で国内向け出荷が逆に5%減となったため。国内向けは全ての分野において前年同月を下回った。電機・工業用は薄型テレビなどデジタル家電の需要が好調を維持したが、記録メディア向けが不振であったため6%減となった。包装用もマイナス成長となったが、OPS向けが好調であったため縮小率は2%にとどまった。しかし雑貨・産業用は10%減、FS用は9%減といずれも縮小幅が大きく、これが同樹脂の国内向け出荷全体の足を大きく引っ張るかたちとなった。
 その反面、輸出は昨年1月以降16ヶ月連続で前年同月の実績を上回ることとなった。最近の好調には、韓国、台湾、中国といったアジア諸国における液晶テレビの拡散板向けの需要の拡大が大きく寄与している模様。

 また、同工業会が同じ20日に集計したSM(スチレンモノマー)の4月の生産・出荷実績は、生産が222,679トンで同15%減、出荷が236,391トンで同22%減となった。
 生産は今年に入ってからの4ヵ月全てが前年同月割れとなっている。出荷は、国内向けも輸出も3月に続いて前年同月割れとなった。
 国内向けは、合成ゴム向けが引き続き順調な伸びをとげたものの、PS向けの減少が響いて前年同月を7%下回った。
 輸出は40%もの減少となっている。今年に入ってからの4ヵ月全てが前年を20%以上下回ってきたが、4月はさらに大幅な縮小となった。SM各社が、円高の進行に伴う輸出採算の悪化をにらんで新規契約を思い切って抑制する措置を取るようになったことが大きな要因と見られる。