2008年05月23日 |
世界の石油化学需給動向「エチレン供給超過へ 大型設備相次ぎ完成」 |
経産省化学課「中国市場が世界に与える影響大きい」 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:経済産業省 |
「08年以降、中東を中心に大型プラントが立ち上がり、09年には世界のエチレンは供給超過がピークに達する」とする見通しが23日、経産省化学課が発表した「世界の石油化学製品の今後の需給動向」で明らかとなった。一方、需要面では、「世界の総需要に占める中国の割合が高まっており、中国市場の動向が与える影響が大きくなっている」と指摘している。 <世界のエチレン系誘導品需給動向> ・06年の世界のエチレン系誘導品の需要は107.3百万トン(前年比3.3%増)と堅調だった。各国・地域ごとの需要見通しを積み上げると06〜12年の伸び率は平均4.8%、12年の総需要量は142.5百万トンとなる。 ・世界のエチレン系誘導品の生産能力(エチレン換算)は、06年末時点で126.8百万トン。12年までに稼動する可能性の高い新増設計画に基づくと、12年末の生産能力は164.0百万トンとなる(年率4.4%)見通し。 ・一方、原料エチレンの生産能力は06年末の119.9百万トンから、12年末には158.4百万トン(年率4.7%)に増加する見通し。 ・日本のエチレン誘導品需要は07年の5.7百万トンに対して、製品輸入の拡大等を考慮し、12年は5.4百万トンと見込まれる。 ・中国は供給は増加するものの、需要がこれを上回るペースで増加することから、国内のエチレン誘導品の輸入超過幅は拡大し、12年には12.4百万トンと見込まれる。 (中国のエチレン系誘導品の12年需給予想 :生産=18.1百万トン、需要=30.5百万トン、バランス=マイナス12.4百万トン) <世界のプロピレン> ・世界のプロピレン系誘導品の需要(プロピレン換算)は06年の66.0百万トンから12年88.7百万トン(年率5.0%)と見込まれる。 ・生産能力は06年末の75.3百万トンから、12年末には96.3百万トン(年率4.2%)に増加する見通し。 ・原料プロピレン生産能力は06年末の81.4百万トンから12年には104.0百万トンに増加(年率4.2%)する見通し。 ・日本の需要は07年の実績5.0百万トンに対して、ポリプロピレンを中心に堅調な増加が見込まれ、12年には5.6百万トンと見込まれる。 ・中国の誘導品の輸入超過はやや拡大し、12年には5.9百万トンに達する見通し。 (中国のプロピレン系誘導品12年の需給予測 :生産=15.5百万トン、需要=21.3百万トン、バランス=マイナス5.9百万トン) ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1211522966.pdf |