2008年05月27日
Jエナジー・清水建設、蓄熱性能2.5倍の「蓄熱式空調システム」開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:ジャパンエナジー

 ジャパンエナジーは27日、清水建設と共同で従来比2.5倍の蓄熱性能を持つ新空調システム「PCM躯体蓄熱空調システム」を開発したと発表した。蓄熱性能に優れ、外部蓄熱槽が不要となるため、ビルなどの省スペース化に最適としている。
 
 ランニングコストは一般的な空調システムに比べて35%、消費エネルギーは10%低減することが可能となった。両社は今後、さらに詳細な性能検証を行い、2009年度中の実用化を目指す。

 躯体蓄熱式空調システムとは、料金が安い深夜電力を使って建物の躯体コンクリートに冷熱を蓄え、日中にコンクリートからの放熱で空調するシステムのこと。従来のシステムは躯体コンクリートだけでは蓄熱量が十分でなく、氷蓄熱など外部蓄熱槽を併用するため、蓄熱槽の設置スペースが必要だった。

 今回開発したPCM( Phase Change Material、潜熱蓄熱材)躯体蓄熱空調システムは、蓄熱素材にパラフィンを採用した「PCM蓄熱材」を、清水建設が開発した床吹出し空調システム「フロアフロー」の二重床内に収めた点に特徴がある。
 
 ロウソクやワックスの原料となるパラフィンは、約20℃の融点で液体ー固体に相変化し、蓄熱-放熱を繰り返す「潜熱蓄熱物質」の一つで、氷蓄熱で使う水と比べて高い蓄熱量を有している。このパラフィンの採用によって同システムは、躯体コンクリートの蓄熱と合わせて全体の蓄熱性能を、従来の躯体蓄熱システムの2.5倍に高めることができた。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1211878187.pdf