2008年05月27日
武田薬品、米国Alnylam 社とRNAi医薬で契約締結
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:武田薬品工業

 武田薬品工業は27日、Alnylam Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ=アルナイラム社)と、癌領域および代謝性疾患領域を対象に、RNAi 医薬(注)にかかるプラットフォーム技術に関する非独占的ライセンスと、これに基づく共同研究契約を締結したと発表した。

 これに基づき、同社はアルナイラム社が現在所有、または今後5年間に獲得するRNAi 医薬に関する技術・ノウハウの実施権を取得する。またドラッグデリバリーシステム(DDS)についてのクロスライセンスを行い、RNAi 医薬の創出に向けて共同研究を行なう。

 今回の契約で、同社はアルナイラム社に契約一時金として100 百万米ドル、技術移転料として総額50百万米ドル、対象とする疾患領域の追加に際して50百万米ドル/一領域を支払うほか、ターゲットごとに171百万ドルを上限とする研究開発の進捗および販売額に基づくマイルストン、ならびに販売ロイヤルティを支払う。

 武田薬品はアジア地域で、今後5年間にわたり、アルナイラム社から全プラットフォーム技術の実施許諾を受ける唯一の企業となるとともに、アルナイラム社の自社創製品の開発・企業化を行う場合の優先的交渉権をもつ。一方、アルナイラム社は、武田薬品が今後創製するRNAi 医薬の中から数品目を選択し、米国における共同開発・企業化にかかる権利を有するとしている。

■ RNAi 医薬とは:
  核酸医薬の一種であるRNAi 医薬(RNA interference)は酵素や受容体等のタンパク質に作用する従来の低分子医薬とは異なり、各種疾患の原因となるタンパク質を作り出す遺伝子
(mRNA)に直接・選択的に作用する特徴を有している。RNAi 医薬により、創薬ターゲットの拡大および創薬期間短縮等の生産性の著しい向上が期待できることから、今後の創薬研究におけるパラダイムシフトにつながる技術として注目されている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1211879350.pdf

(英文)
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1211879350.pdf