2008年06月02日
信越化学、「日経ビジネス」2日号記事に厳しい抗議
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:信越化学工業

 信越化学工業は2日、「日経ビジネス」6月2日号に掲載された「深層スペシャル 原油200ドルに備えよーこのままでは信越化学が8割減益に」とする特集記事について、「見出しならびに本文中に“架空試算数値”を掲げ、あたかも弊社に大幅減益の危険があるかのような著しく誤った印象を読者に与えたことは極めて遺憾だ」として、日経BP社および同誌編集部に厳しく抗議する一文を同社ホームページ上に掲載した。「投資家や取引先にも不利益をもたらしかねない不当な表現があった」と強調しているが、同社がHP上でこのような抗議をしたのは初めて。
 
 掲載文によると、「原油価格の高騰が、多くの日本企業に大きな影響を与えるのは事実だが、信越化学は原油を原料とする製品より地球上に無尽蔵にあるといわれるケイ石を出発原料とする製品の方が大きな割合を占めており、原油が1バレル200ドルとなった場合でも、他の会社より影響が大きいとは考えられない」と反論している。
 
 また記事の内容について「そもそも引用している「試算」の算出意図も根拠も明示せず、弊社への取材に基づくものでもない」と指摘。「試算数値に原油価格の正確な影響度や、企業の対応策が織り込まれていなのも不十分だ」ときめつけている。
 
 さいごに「あたかも弊社に対する取材が行なわれたかのような印象を読者に与えている。極めて遺憾なことであり“ジャーナリズムの倫理にさえ反する”と思われる」と強い調子で抗議し「今後“風評被害”の発生を抑えるための実効性ある対応を、早急に実施されることを強く要望する」と結んでいる。

【関連ファイル】
信越化学のホームページ
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1212401656.doc