「ユーコンウルトラクエンチ」

　ダウ・ケミカル日本は4日、次世代型の水溶性焼き入れ液「ユーコンウルトラクエンチ」の新シリーズ「RLプラス」を同日から日本でも販売することにしたと発表した。昨年秋にダウ・ケミカルが米国内で発売した結果、自動車や電子機器等の各種工業部品メーカーの間で高い評価が得られたので、これらの工業部品の高成長が続いている日本でも販売していくことにしたもの。
　
　新シリーズ「RLプラス」は、高温加工中の金属を保護しつつ中・高炭素鋼加工の急冷焼き入れ液として従来の製品にない様々な優れた機能を発揮する点が大きな特徴という。ポリアルキルアルコール系の不燃性焼き入れ液で、亜硝酸塩を含有しないので環境に優しく、また耐腐蝕性や対バクテリア性能も他の製品を凌ぐとのこと。このため広範囲の鉄及び非鉄素材（ワーク）の熱処理と、焼き入れ作業のコスト削減が可能になるとしている。高周波焼き入れと浸漬焼入れのいずれに対しても幅広く使用できるともいう。
　
　この日に会見したダウ・ケミカル本社機能流体事業部グローバル事業部のスティーブ・スタンレー事業部長は、「我々はRLプラスの日本における潜在市場規模を年間数千トン以上と推定しており、自動車産業をはじめ機械、鉄鋼、非鉄金属、船舶等々様々な産業分野向けにトップシェアを確保していきたいと考えている」と述べた。早期に30〜40%の販売シェアを目指す意向。また、今年第4・四半期にはA、E、B等の新品種も追加していく計画。

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