2008年06月10日
旭化成クラレメディカル、人工腎臓用の中空糸紡糸設備増設
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成メディカル、旭化成クラレメディカル

旭化成クラレメディカルは10日、延岡市岡富地区に建設中の紡糸工場内にポリスルホン膜人工腎臓の中空糸紡糸設備増設を決めたと発表した。

投資額約28億円をかけて年産600万束設備を増設する。今年8月着工し09年10月稼動開始の予定。これにより同社のポリスルホン膜人工腎臓の中空糸紡糸能力は、年産3,400万束となる。

 人工腎臓市場は、高齢化の進展、透析患者数増加及び医療環境の整備に伴い世界での需
要が着実に増加しているが、中でもポリスルホン膜人工腎臓は高性能で生体適合性に優れ、今後も大きな伸びが期待できる。

 旭化成グループは、中期経営計画で医療関連領域を戦略拡大分野と位置付け、透析事業領域では5月にEVOH中空糸膜人工腎臓紡糸工場が竣工、ポリスルホン膜人工腎臓の紡糸・組立一貫工場の建設(本年10月竣工予定)など積極的拡大を図ってきた。今回、これらに続きポリスルホン膜中空糸の紡糸設備増設を決定したことになる。
 
【旭化成クラレメディカルの概要】
(1)代表者 : 吉田安幸
(2)設 立 : 1974 年7 月24 日
(3)資本金 : 8 億円(旭化成ファーマ93%、クラレメディカル7%)
(4)本 社 : 東京都千代田区神田美土代町9-1
(5)工 場 : 延岡工場(人工腎臓向け中空糸膜紡糸他)、大分工場(人工腎臓他組立加工)、中国工場(浙江省杭州市 人工腎臓組立加工)
(6)従業員数: 約1,500 名(2008 年3 月末)
(7)主要製品: 人工腎臓、血液浄化(アフェレシス)関連製品等の開発・製造・販売

■ 用語解説
◇ポリスルホン中空糸膜 : ポリスルホン樹脂を使用した中空糸膜。低分子量タンパクの除去性能が高く、生体適合性及び抗血栓性に優れている。

◇透析(人工透析) : 血液を体外に誘導し、中空糸膜(人工腎臓)を介して血液と透析液を接触させ、本来尿中に排出される尿素、クレアチニン、尿酸などの老廃物を除去して浄化された血液を体内に戻す療法(透析治療)。この療法を行う際の血液と透析液を接触させるための半透膜を容器に組み込んだものが人工腎臓(ダイアライザー)である。素材にはセルロース系(再生セルロース、セルローストリアセテート)、合成高分子系(ポリスルホン、EVOH、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタアクリレート等)がある。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1213077798.pdf