2008年06月12日 |
汎用樹脂の対中輸出、4月も全てが前年同月を下回る |
LDPEとHDPEは前年割れが10ヵ月連続に |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
汎用樹脂の4月の中国向け輸出通関数量(香港向けを含む)は、3月に続いて合計6品目の全てが前年同月の実績を下回った。 6品目が軒並み前年同月の実績を下回るのは、今年に入ってこれが3度目。1〜4月の累計も6品目全てが前年同期を下回っている。これが響いて各樹脂の総輸出量も全品目が前年同期を割り込んでいる。国内向け同様に不振が長期化の様相を帯びてきた感じで、各社がどういった対応策を考えていくかが注目される。 4月の実績では、ポリオレフィンの縮小率の大きさが特に目を引く。LDPEは6,080トンで35.3%減、HDPEは6,936トンで13.6%減、PPホモポリマーは12,839トンで30.1減、PPコポリマーは3,733トンで31.0%減と、いずれもそれぞれの総輸出量の縮小率を上回っている。うちLDPEとHDPEはともに10ヶ月連続の前年同月割れとなっている。PP-HとPP-Cは5ヵ月連続の前年割れである。 PSとPVCは縮小幅がポリオレフィンほど大きくなく、前者が4,904トンで4.4%減、後者が33,913トンで7.5%減にとどまっている。それぞれの総輸出量の縮小率に対しても小幅となっている。前年同月割れも2ヵ月連続なのでポリオレフィンとはかなり様相が異なる。とは言え、両樹脂とも前年同月割れは今年に入ってこれが3度目となる。 関係者の多くは、6品目全てが不振を続けている要因として(1)中国の需要自体が価格の上昇と国産化の進展で減少してきていること(2)中国側のオファー価格が安いため日本側各社とも採算面から契約を絞らざるを得なくなっていること、の2点を挙げる。いずれも早期に局面が変わる可能性が低いので5月以降も低水準が続く公算が濃厚ということになる。 |