2008年06月18日
PVCの出荷、5月も低調で前年比19.8%減
住宅関連需要の不振が長期化
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が18日に明らかにしたところによると、PVC(塩ビポリマー)の5月の総生産量は147,714トンで前年同月比16.8%減、総出荷量は142,765トンで同19.8%減となった。生産は6ヵ月連続の、また出荷は7ヵ月連続の前年同月割れとなった。しかも5月の場合は前年同月に対する縮小率がともにこれまで以上に大きい点が目を引く。
 
 うち出荷が大きく落ち込んだのは、国内向けが主力の硬質用をはじめ軟質用も電線用その他もすべて大幅な前年同月割れとなったのに加え、輸出もめずらしく大きな縮小率となったため。
 国内向けの硬質用は9.4%減で15ヵ月連続の、軟質用は11.7%減で23ヶ月連続の、電線その他は17.9%減で2ヵ月連続のそれぞれ前年同月割れとなっている。国内向け出荷合計は11.5%減で、15ヵ月前年同月割れとなった。
 
 このように、硬質用と軟質用の不振の長期化に加えて電線用その他まで縮小しはじめた点はやはり軽視できないところ。この点について塩ビ工業・環境協会の菅原公一会長(カネカ社長)は「PVCの需要全体の6割強を占める住宅関連市場の需要が依然として低迷していることが大きい」と分析、合わせて「今後も住宅着工の急回復にはあまり期待できない」とも述べ、塩ビ業界に取って厳しい状態がしばらく続くとの見方を披露した。
 
 一方の輸出は31.9%減とかつてない大幅な縮小となった。米国に大量の塩ビ加工製品を輸出してきた中国の大手樹脂加工企業が米国の景気の後退によって生産の縮小を余儀なくされつつある点が少なからず影響していると見られている。
 
 月末在庫は122,318トンで前月を4.2%、前年同月を18.9%上回っている。

ニュースリリース参照
○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1213768792.xls