2008年06月19日
08年「ブループラネット賞」ロリウス博士とゴールデンベルク教授
旭硝子財団、「地球温暖化問題」に貢献の両博士を表彰
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:旭硝子

 財団法人旭硝子財団(瀬谷博道理事長)は19日、2008年(第17回)「ブループラネット賞」受賞者に、「南極の氷床コアを通じて気候変動と環境の相関関係を解明し、地球温暖化に警鐘を鳴らして」きたフランスのクロード・ロリウス博士と、「バイオエタノール計画を推進し、地球温暖化対策にリーダーシップを発揮」してきたブラジル・ジョゼ・ゴールデンベルク教授の両氏が決ったと発表した。
 
 表彰式は今年11月12日、記念講演会は11月13日、東京で行なわれる。受賞者にはそれぞれ賞状、トロフィー及び副賞賞金5000万円を贈る。




■ クロード・ロリウス博士(Dr.Claude Lorius)

 1950年代半ばから南極の氷河の研究を行い、各国専門家と共同で氷床コアを掘削し、それらを詳細に分析し、過去40万年前の地球の気候変動を明らかにした。また、地球上で最も寒いボストーク基地で掘削した氷床コアの分析から、氷期、間氷期間の気候変動と大気中の二酸化炭素・メタンとの相関関係等を見出し、「現在の二酸化炭素の濃度が過去にない高いレベルにある」ことを指摘、地球温暖化に警鐘を鳴らした。
 
 ◇1932年 フランス・ブザンソン生まれ。
 ◇1957年 国際地球観測年の南極探検隊に参加
 ◇1986年〜90年 国際学術連合会議(ICSU)南極研究科学委員会(SCAR)会長
 ◇1994年〜 フランス科学アカデミー会員
 ◇1998年〜 フランス国立科学研究センター名誉主任研究員
 
 
■ジョゼ・ゴールデンベルク教授(Prof.Jose Goldemberg)

 1960年代末からサンパウロ大学でエネルギー問題の研究を行い、73年の石油危機直後にはバイオエタノール採択に主要な役割を果たすなど、国のエネルギー政策の策定、推進に貢献した。途上国が発展していく上で必要なこととして“技術の馬とび”の概念を提唱してきたことでも知られる。また、国内だけでなく、国際的にも、エネルギー、地球温暖化、森林破壊などの環境問題で強いリーダーシップを発揮し、貢献してきた。
 
 ◇1928年 ブラジル生まれ
 ◇1967年〜 サンパウロ大学教授
 ◇1986〜90年 サンパウロ大学学長
 ◇1990〜91年 ブラジル国科学技術長官
 ◇2002〜06年 サンパウロ州環境長官