2008年06月20日
L-LDPEも国内出荷の低迷が長期化
フィルム用の不振で4ヵ月連続の前年割れ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の5月の総出荷数量は70,269トンで、前年同月の実績を13.7%下回った。4ヵ月連続の前年同月割れである。
 
 うち国内向けは57,574トンで、同15.8%減となっている。これも過去にあまり例のない大幅な縮小率である。出荷のうちの圧倒的多数を占めるフィルム用が40,874トンで同16.0%減となったことが影響している。また、フィルム用に次ぐ需要規模の加工紙用が2,895トンで25.4%もの縮小となったことも響いている。
 この結果、LDPE全体の国内向け出荷量に占めるL-LDPEの構成比は従来の平均を2ポイント強下回って48.0%となった。
 一方の輸出は12,695トンで、前年同月を2.7%下回っている。4月が同18.9%増と活発であったことの反動と見られている。
 
 こうした結果、今年1〜5月の累計は総出荷量が368,162トンで前年同期比5.7%減、うち国内向け出荷量が311,072トンで同6.6%減、輸出が57,090トンで同0.6%減となった。5ヵ月を経過した時点で前年同期の実績を下回っているのは同樹脂の場合は極めて異例。
 
 もっとも、同樹脂関係者の中には、今年のマイナス成長は同樹脂の大手メーカー日本ポリエチレンの生産と出荷量が親会社の三菱化学・鹿島の第2エチレンプラントの操業休止によって前年を大きく下回る時期がしばらく続いたことによるところが大きいと分析、実需が大幅に縮小してのものではないと解説する向きが少なくない。