2008年06月25日
EVAの国内向け出荷は5月も着実な伸び
ソーラ向けの好調で8ヵ月連続の前年同月超え
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)の5月の総出荷数量は20,122トンで、前年同月の実績を2.1%下回った。8ヵ月振りの前年同月割れである。国内向けは12,284トンで前年同月を1.6%上回った。汎用5樹脂(ポリオレフィン3樹脂とPSならびにPVCの計5樹脂)の中で5月の国内出荷が前年同月を上回ったのはEVAのみ。

 これで同樹脂の国内向け出荷は8ヵ月連続の前年同月超えとなった。他の汎用樹脂の国内向けは、最も短いHDPEでも3ヵ月、最も長いPVCは15ヵ月にわたって前年割れが続いている。EVAだけが長期安定成長を続けている。

 この背景は、同樹脂の最大消費分野となった太陽光発電パネルの被覆シートの需要が引き続き大幅な伸びを遂げている点にある。同シート向けの出荷量を特定した公式データはないが、同シート向けが圧倒的多数を占めると想定されるフィルム・ラミ・シート向けと一般成型向けの5月の出荷の合計は9,731トンで、前年同月を10.1%上回っている。

 今年1月から5月までの累計は48,319トンで、前年同期の実績に対比すると12.1%増となる。同期の同樹脂の国内向け総出荷量は62,066トンで、前年同期比は5.9%増となっているが、この伸びを支えているのは太陽光発電パネルということになる。
 
 一方の輸出の5月の実績が前年を割り込んだのは、内需の拡大で同樹脂各社の輸出余力が大幅に縮小したためと見られる。1〜5月の累計は34,321トンで、国内向けとは対照的に同6.6%の減少となっている。すでに生産が限度いっぱいの状態にあるので、これからも輸出はあるていど絞っていかざるを得ないと述べるメーカーが多い。