2008年06月27日
帝人、シンガポール公益事業庁と排水処理技術を共同開発
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:帝人

 帝人は、シンガポールの公益事業庁(=PUB、Public Utilities Board, Republic of Singapore)と排水処理技術の共同開発に関する覚書(MOU)を締結したと26日発表した。

 同社は、環境・エネルギー分野の市場で水処理事業を展開するため、省エネ・CO2削減を基本コンセプトとした排水の再利用、処理技術の開発、事業化をを進めている。

 一方のPUBは、シンガポールの水資源を有効利用するため、排水を飲料水として再利用する「NEWater計画」に向けて高度技術の開発を進めている。今回、両者のコンセプトが一致した。

 この覚書に基づき、帝人は、過酸化水素添加多段式オゾン処理技術および機能剤担持技術(注)をはじめとする、膜に限定しない高度な水処理技術、PUBは排水処理、再利用に関するプラントの運用実績から得られた豊富な知見および共同実験場を提供する。

 具体的には、「NEWater計画」の最終段階に関わる技術として、過酸化水素添加多段式オゾン処理技術について、パイロットスケールでのテストを実施する予定。一方、機能剤担持技術については、各種排水中の特定物質の除去や高度処理を行うことを視野に、大学などと共同研究を行い、将来的にはPUBとともに実用化研究を実施する予定となっている。

【用語解説】
◇機能剤担持技術 : 吸着剤などの微粉体の性能を保持したまま、微粉体を多孔質の樹脂で接着して造粒する技術のこと。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1214539140.pdf