2001年05月23日 |
BASF首脳会見「アジア地域に重点投資」 |
2000年史上最高決算、目標は「世界市場1位確保」 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:BASF、住友化学、三井化学 |
独BASFのアジア地域総括役員ユルゲン・ハンブレフト、BASFジャパン社長のディートマー・ニッセン両氏は22日記者会見し、BASFグループの事業概要や今後の展開などを明らかにした。この中で両氏は「市場成長が見込まれるアジア地域で積極的に事業拡大していきたい」などの考えを明らかにした。主な内容は次の通り。 (1)BASFグループは2000年度、売上げ、利益とも史上最高に達した。ポートフォリオに基づく事業再構築も着々と進んでいる。 この1年間に、高吸水性樹脂でケムダール社を買収(世界市場で1位に)したほか、アメリカン・ホームプロダクツの農薬事業買収(同3位に)、武田薬品のビタミン事業買収(同2位に)などを行った。ポリオレフィンではシェルの事業と統合した。今後もあらゆる分野で世界のトップを目指したい。 (2)アジア地域は世界市場の中でも最も大きな成長が期待されている。BASFの同地域での売上高は現在約14%(欧州56%、米国30%)だが、早期に20%に伸ばしたい。アジア地域にはいま44の子会社、34の合弁会社があり従業員は1万2,300人を数えている。 2010年までに主要製品で上位5社に入る、現地生産比率70%(現在46%)に高める、などの目標を達成したい。 (3)中国では南京に中国石化総公司と合弁の石化計画「フェアブント」が政府認可を取得した。マレーシアではペトロナスと合弁のアクリルモノマー工場がスタートした。オキソアルコール、可塑剤プラントも2001年操業開始の予定だ。シンガポールではシェルと合弁のエルバ・イースタン社がPO/SM併産工場の建設に着手、2002年稼動の予定だ。 (4)日本の石化業界も最近はアライアンスへの動きが出てきた。汎用樹脂はサプライヤーが半分に減ったときいている。しかし、汎用品の生産拠点は今後さらにアジア地域に移っていくと思う。こうした中で住友化学と三井化学の統合が実現することは日本にとって非常にいいことだ。両社にはお祝いをいいたい。 |