2008年06月30日
主要化学品の輸出、5月も多くが前年を下回る
汎用樹脂は引き続き全品目が前年同月割れに
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 主要化学品の5月の輸出通関数量は、引き続き多くの品目が前年同月の実績を下回った。合計25品目のうちの64%に相当する16品目が前年割れとなっている。汎用樹脂は軒並み前年同月を下回っている。いずれも前年割れが長期化している。
 
 25品目中20品目が前年を割り込んだ4月ほどではないものの、依然として多くの製品の輸出が長期にわたって不振を続けている。これで、主要化学品の輸出は昨年12月以降6ヵ月連続で過半の製品が前年同月を下回る事態となった。
 
 輸出の前年同月割れが特に長期化しているのは、エチレン、SM、酢酸、PPホモポリマー、TPA、PVC、HDPEなど。HDPEは4ヵ月連続だが、他の6品目は今年に入っての月の全てが前年割れとなっている。中には、三菱化学・鹿島の事故に伴うものもあるが、原燃料価格の高騰によって輸出採算を確保していけなくなりやむなく商談を縮小するところが増えてきた点にあると見られる。

 逆に長期にわたって前年を上回っているのは、BZの5ヵ月連続、ABSの4ヵ月連続、カプロラクタムの3ヵ月連続の計3品目。これら化学品は、国内需要も不振が長期化の傾向にある。したがって、6月以降はオレフィンの思い切った減産が必要になるかも知れない。

【関連ファイル】
主要化学品の08年5月の輸出通関数量と累計
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1214796421.xls