2008年07月04日
MEGのアジアのスポット相場が反発
需給の均衡を反映してトン1,150ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびに石化企業筋によると、合成繊維原料MEGのアジア地域におけるスポット同場が反発してきた。
  
 最大の消費国である中国による直近の輸入CFR価格の平均はトン当たり1,150ドルで、2週間前に比べると22〜23ドル上がっている。1ヵ月前のレベルにほぼ戻ったことになる。
 ナフサ価格の高騰に対応して台湾、韓国、タイ、日本等のMEGメーカーが相次いで対中国向け輸出価格の底上げに踏み切ったのが効いている模様。
 
 大手商社やMEGメーカー筋によると、最近は中国におけるポリエステルの生産量がポリエステル繊維の国内向けの需要の活発化で順調に拡大しており、ポリエステル業界の平均稼働率は80%に達しているという。同繊維の対米および対欧輸出は引き続き低調だが、国内の伸びがそれを十分カバーしているようだ。
 
 もともとMEGの需給バランスは世界全体で均衡が取れていたので、アジア地域でスポット市況が軟化する要因はほとんどなかったと言える。それにもかかわらず一時期下降線を辿ったのは、イランと韓国でそれぞれ年産40万トン能力のプラント3基が相次いで本格操業に入るので需給が一気に緩むとの見方が市場に広がったため。
 しかし、イランの新プラント2基はエチレンやユティリティネックのため極端な低率操業にとどまっており、一方Lotte-Daesanの増設プラントは順調に稼動を開始したもののアジア市場全体の需要の伸びで増産分はスムースに吸収されている模様。
 
 今後も需要は中国を中心に順調に伸びていくというのがMEGメーカー各社に共通した見方となっている。対する供給能力はしばらく現状のまま推移する見通しにある。したがってスポット市況はさらに上昇を続ける公算が濃厚ということになる。