2008年07月07日
ポリオレフィンの価格交渉が進展
樹脂各社が多くの需要家の説得に成功
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィンメーカーとプラスチック加工企業各社との間で進められている値上げ交渉が先週明けから急速に進展しはじめた。大手ポリオレフィンメーカーによると、先週末までに多くの需要家から基本的な同意が得られているという。

 ポリオレフィン各社が今回の値上げ表明で打ち出した上げ幅は、1キログラム当たり37〜38円というかつてない大きな額。7〜9月期の原料ナフサ価格が1〜3月期の1キロリットル当たり66,700円を大きく上回って83,000円前後まで跳ね上がる見通しとなり、また副原料費や各種用役費も軒並み高騰が必至となってきたことに対応してのものであった。

 各社の値上げ表明当初は、多くの加工企業が上げ幅が大きすぎると強く反発していた。しかし、レジン各社も採算割れのまま出荷を続けるわけにいかないとして繰り返し説得を重ねてきた結果、ここにきて多くの需要家から基本的同意を取り付けられるようになってきたという。

 もっとも、需要家の中には、ポリオレフィン各社が希望している7月の出荷分からのいっせい切り替えには難色を示し、7月と8月の2度に分けての是正に改めるよう求めるところが増えている模様。月内には何らかのかたちで決着が図られそうだ。

 もっとも、最近はナフサの国際スポット価格が先ごろまでの関係各社の予想を上回るテンポで続伸している。このままいくと、7〜9月期の国産ナフサ価格は同83,000円をさらに大きく踏み越えることになり、石化製品各社は再度の価格修正を余儀なくされることになる。