2001年05月22日
汎用樹脂の4月の国内向け出荷、軒並み前年割れ
フィルム用など主力品種がすべて縮小
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 汎用4樹脂(ポリオレフィン3樹脂とポリスチレン)の4月の出荷数量は4樹脂すべてが前年同月の実績を下回った。これは、国内向け出荷が軒並み前年を割り込んだことによる。国内向けが4樹脂とも前年を下回ったのは、うるう年のため稼動日数が前年より4%少なかった今年2月にLDPEが0.5%減となったのを除くと27ヵ月ぶりとなる。
 こうした国内向けの不振の要因について樹脂メーカーの多くは、内需そのものが冷え込んできたこと、レジンと加工製品の輸入が一段と活発になってきたこと、昨年4月の出荷がレジンの値上げを控えて発生した前倒し需要によって実需以上の規模となっていたことに対する反動がでたこと--などを挙げている。
 各樹脂とも、主力品種の減少が目を引く。LDPEのフィルム用は3%減、HDPEの同じくフィルム用は7%減、PPの射出成形用は5%減、PSの包装用は7%減となっている。また、PPのフィルム用も5%縮小している。ほとんどのグレードが前年割れとなっている。主要品種で前年を上回っているのは、LDPEの電線用の2%増、HDPEの射出成形用の9%増、PPの押出し成形用の8%増と繊維用の19%増、PSの雑貨・産業用の7%増--など。
 一方の輸出は、PPの1%増以外がすべて減少している。LDPEは18%減、PSは27%減と縮小幅が特に大きい。東南アジア地域や中国の需要が不振なのと、引き合い価格の多くが日本のポリオレフィンメーカーの希望を下回っていることがその要因とみられる。

2001年4月4樹脂生産・出荷・在庫実績(表)