2008年07月09日
汎用樹脂の対中輸出の不振が長期化
5月もHDPEを除いて5品目が前年割れに
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の中国向け輸出(香港向けを含む)の不振が長期化の様相を呈してきた。5月は、合計6品目のうちで前年同月の実績を上回ったのはHDPEだけ。他の5品目は軒並み前年同月割れとなった。HDPEは13.7%もの大幅増となって11ヶ月振りに前年同月割れから抜け出したが、LDPE、PPホモポリマー(PP-H)、PPコポリマー(PP-C)、PS、PVCの計5品目は引き続き前年同月を大きく割り込んでいる。

 この結果、LDPEは11ヶ月連続の、またPP-HとPP-Cはともに6ヶ月連続の、そしてPSとPVCはそれぞれ3ヵ月連続の前年同月割れとなった。
 
 これに伴う1〜5月の累計は、6品目全てが前年同期を下回っている。しかも、PSの2.9%を除いて全体に縮小の幅が大きい。

 現在も中国は、日本で生産される汎用樹脂の最大の輸出先となっている。したがって、ここにきて対中輸出の前年同月割れが長期化の傾向をたどりはじめた点については、これら汎用樹脂業界だけでなく石化業界全体にとって軽視できない現象と受け止める向きが多い。

 汎用樹脂の5月の対中国向け輸出通関数量は以下の通り。右は1〜5月の累計。かっこ内は前年比。
▽LDPE=8,308トン(74.7%)  35,361トン(71.3%)
▽HDPE=8,911トン(113.7%)  35,487トン(82.3%)
▽PP-H=16,042トン(75.9%)  70,784トン(66.5%)
▽PP-C=4,049トン(74.7%)  18,837トン(68.5%)
▽PS=4,451トン(91.4%)   23,486トン(97.1%)
▽PVC=39,653トン(79.5%)  190,041トン(82.4%)