2008年07月10日
三井化学、AC等溶剤の価格交渉も決着
ただし、8月上旬にも再値上げの構え
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はかねてからたアセトン(AC)、MIBK、IPAの溶剤3品目についても需要家各社との間で価格改定の交渉を進めていたが、フェノール(PH)同様に今週明けをもって全てのユーザーから基本的同意を得ることができたと10日発表した。
 
 今回の同社の値上げの目的は、ナフサ価格の急騰に伴う原料プロピレン価格の大幅な上昇とC重油の高騰等による用役費の急拡大分を製品価格に転嫁することにあった。
 それに対して需要家各社では、プロピレン価格の高騰分の転換は容認できても一方の用役費の拡大分の転嫁については全面的な受け入れが無理として同社に譲歩を強く迫ってきていた。最終的には、双方がともに取り敢えず譲り合って小幅の下方修正で決着する道を選択したことになる。
 ただし三井化学では、ここにきて原燃料費がさらに大幅に上がってきているので、さほど遠くない時期にこれら3品目それぞれに再値上げを表明することになりそうだ。

 今回決着した3品目の価格改定幅は、ACが1キログラム当たり34円(同社の当初の打ち上げ額は同44円)、MIBKが同52円(同58円)、IPAが同36円(同38円)。いずれもプロピレン価格の上昇分の引き上げは認められたが、用役費の転嫁は3品目とも圧縮された。ACでは同10円、MIBKでは同6円、IPAでは同同2円がそれぞれ縮小となった。