2008年07月14日
SMのアジアのスポット価格が小反落
日本のSM企業は減産率を拡大の構え
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社やSM(スチレンモノマー)メーカー筋によると、SMのアジア地域におけるスポット価格が小幅ながら反落してきた。
 最大消費国である中国の先週のCFR価格の平均はトン当たり1,670ドルで、最近のピークとなった前の週の平均に比べると同4〜5ドル安となっている。
 これには、原料の一つのBZ(ベンゼン)の同地域におけるスポット相場が同じく最近のピークとなった前の週の平均に比べて同5ドル安となったことが少なからず作用していると見られる。

 需要は中国を中心にアジア地域全体に引き続き着実な伸びを遂げている模様。しかし、5月初頭から7月初頭まで続いた価格の上昇によって需要家各社は収益を大きく圧迫されていてアジア地域のSM各社の値上げ表明には軒並み強い拒否反応を示し、逆に値下げを求めるところが増えている。

 一方のアジアのSMメーカー各社は、ここにきての原油とナフサの価格の一段高によって最近のSMのスポット相場では全社が採算割れをきたしていると見られる。わが国のあるSMメーカーでは、現在のアジア相場ではトン当たり80〜100ドルの逆ザヤになるという。

 事態の改善には減産の強化しかないと述べるSMメーカーが少なくない。現在わが国のSMメーカーは軒並み減産を実施中。ただし減産率は企業によって多いところで40%、少ないところで10%とばらつきが大きい。しかし8月以降は、小幅のところでも減産率を20%ていどに拡大することになりそうだ。