2008年07月15日
日立化成、ミューチップを用いた「金属対応RFID」ラベルを開発
ラベル素材の選択により幅広い用途に対応可能
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日立化成工業
金属対応ミューチップRFIDラベル

 日立化成工業は15日、世界最小クラスの2.45GHZ帯非接触IC チップ「ミューチップ」を用い、厚さが約0.5ミリメートルの金属対応ミューチップRFIDラベルを開発したと発表した。08年8月から販売を開始し、売上拡大を目指す。

 金属対応のRFIDタグ・ラベルは、工場の資産管理、事務所の備品管理、各種部品の管理やビル設備機器の管理などに使用されており、このところ市場も拡大している。
 
 一般にRFID タグ・ラベルを金属製品に貼り付けると、金属の影響で電磁波による通信が困難となるため、従来は金属面とRFID タグとの間に隙間を設けたり、磁性体の技術を応用するなどの工夫を行なってきた。

 しかし、成形品や厚手のタグでは、タグ表面に個別情報を表示する際に印字プリンタ等への対応が困難なため、別工程で作成したラベルを貼り付けるなど、手間がかかった。

 そこで同社は、アンテナ設計技術を使って、通信障害を克服したラベルタイプの金属対応ミューチップRFID 製品を開発した。
 
 ラベルは厚さが約0.5ミリと薄いが、金属製品に貼り付けても3センチメートル以上の通信距離を確保することができる。また用途により、さまざまな特性に対応するラベル素材を選択することも可能。例えば、環境面、コスト面を重視するなら紙素材、耐水性を重視するならPET素材というように選ぶことができる。
 
 さらに、専用のプリンタを使用することにより本製品表面への個別印字が可能となり、同時に作成できる印字情報と「ミューチップ」のID データとの紐付けを行うことにより、パソコン上でデータでの個体管理を行うことも可能となる。

 なお同製品は、7月17〜18日に東京国際フォーラムで開催される「日立 uVALUE コンベンション2008」に展示する予定。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1216094760.pdf