2008年07月16日
PVCの生産、出荷、6月も前年割れと不調
菅原VEC会長「下期も状況は厳しい」
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会
菅原公一・VEC会長

 塩ビ工業・環境協会(VEC)の16日の発表によると、PVC(塩ビ樹脂)の6月の生産量は137,240トンで前年同月実績を16.0%下回り、出荷量は144,567トンで同18.0%減と、ともに大幅減少した。これで生産は昨年12月いらい7カ月連続、出荷は8カ月連続の前年同月割れとなった。
 
 この結果、今年上期(1〜6月)の生産量は908,984トン(前年同期比13.3%減)、出荷量は892,447トン(同15.2%減)となった。
 
 記者会見した菅原公一・同協会会長(カネカ社長)は、出荷の不振が長期化している点について「住宅建築の落ち込みが長引いているのに加えて、原油価格の高騰によって一般景気に陰りが出てきたことが大きい」と指摘、下期の見通しについても「自動車の売れ行きも鈍るなど、わが国全体が第1次・第2次オイルショックを上回る厳しい局面を迎えようとしているだけに明るい展望が見出せない」と述べた。さらに、最近の経済動向につては「状況が厳しいのは塩ビやプラスチックだけでなく、他の産業も同じだ。ここで何か消費構造に新しい変化が出てくるのかどうか、過去の経験からそれが予測できない。今はアメリカ、欧州だけでなく、オリンピックを控えた中国も景気が振るわないときいている。とにかく先を読むのが難しい時代になった」と感想を語った。

ニュースリリース参照
○塩ビ樹脂6月実績
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1216198353.xls

○塩ビモノマー6月実績
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file3_1216198353.xls