2001年05月21日 |
三浦トクヤマ社長会見「収益改善に一層努力」 |
PP事業など構造改善計画軌道に |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:新第一塩ビ、トクヤマ |
トクヤマの三浦勇一社長は21日記者会見し、2001年3月期決算の概要と02年3月期の同見通しを明らかにした。01年3月期は、芸予地震の影響で全工場が一時的に運転停止したにもかかわらず増収増益決算となったこと、3ヵ年構改計画は2年目を迎え、事業構造や財務体質の改善が定着な成果をあげていること、また02年3月期には成長分野への投資を重点的に行い、「3ヵ年計画の最終仕上げを達成したい」など、要旨次の通り語った。 (1)01年3月期決算は特殊品やセメント部門は、増収増益となったが化学品は増収減益で、営業利益が47.7%のマイナスとなった。一部製品に値上げによる増収はあったが原油価格高騰によるコスト高が響いた。塩ビ(新第一塩ビ)は販売努力と価格修正によりわずかながら増収となった。 (2)事業構造改革はPP(ポリプロピレン)事業で出光石油化学と提携したほか、セメント事業では合理化による収益体質改善を行った。クロルアルカリ事業はコア事業としてさらに競争力強化を図った。 それぞれ業界でのポジションが異なる中での構改だが、計画通り枠組みができた。 (3)セメントは国内市場が縮小する一方、アジアでは設備が増えている。しかし徹底した合理化を行っており徳山製造所の現有500万トン設備はトップレベルの競争力をもっている。新しい廃棄物処理、利用技術の導入で収益力は一層強化されるだろう。 (4)成長分野への投資は今後も重点的に実施したい。SP事業では今春多結晶シリコンの新プラントが完成し、年産能力は3,300トンから4,800トンへと世界第2位の規模になった。窒化アルミも6月には240トンから360トンに増える。来年は480トンへとさらに増設する予定だ。需要好調なので今後とも強化していきたい。 (5)2001年度通期予想(連結)を売上高2,500億円、営業利益170億円、経常利益120億円、当期純利益25億円と発表したが、あくまで控え目に見た数字だ。社内では3ヵ年計画で立てた、もっと高い数字を目標にしている。 |