2008年07月18日
三井化学、PTAの輸出価格をさらに引き上げへ
7月の引渡し分、トン140ドルアップで需要家と交渉
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、ポリエステル原料PTA(高純度テレフタル酸)の中国向け輸出価格を6月に続いて7月も大幅に引き上げることにして現地のポリエステル各社と折衝を開始した。

 トン当たり140ドル上げて、CFR価格を1,290ドルに底上げする。これに対して中国のポリエステル企業は、製品価格への転嫁が困難だとして強く抵抗している。しかし三井化学では、原料PX(パラキシレン)の高騰が続いているので何としても早急に同意を取り付けたい考え。契約数量が縮小することもあり得るが、その場合は岩国・大竹とタイの2カ所の工場における減産をさらに強化していく構え。

 中国におけるPTAの需要の伸張率は、ポリエステル繊維の対米・対欧輸出の縮小や海外PTA各社の相次ぐ対中輸出価格の引き上げ、さらには折からの夏場の不需要期入りもあってここにきて当初の予想を大きく下回るレベルに縮小してきている。

 一方、三井化学などPTAメーカーはPX価格がかつてない大幅な上昇を続けているので6月に実施した同120ドルの輸出価格の引き上げでは採算割れを解消できなくなってきており、このため7月分についても140ドルの値上げがどうしても必要としている。ともに厳しい状況に置かれているので、話し合いは長期化することになりそうだ。