2008年07月29日
サンアロマー、“ナフサフォーミュラ”の改善へ
9月1日出荷分からナフサ改定分に諸経費を加算
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:サンアロマー

 サンアロマーは“ナフサフォーミュラ”を採用している需要家向けのPP(ポリプロピレン)とオレフィン系エラストマー(キャタロイ)ならびブテン1ポリマーの販売価格にも物流経費やユーティリティ等の工場諸経費の上昇分を加えていくことにしてユーザー各社に対する説明と説得を開始した。
  
 これは、ナフサ価格に連動するかたちで定期的に改訂する販売価格に、これまで同社で負担してきた工場諸経費の膨脹分も上乗せしていくことにしたもの。9月1日からの実施を計画している。ナフサ価格の変動に合わせて設定する新価格に1キログラム5円を加算する。
 
 同社の場合“ナフサフォーミュラ”を採用している需要家が多く、全出荷量のおよそ80%が同フォーミュラのユーザー向けで占められている。これらの需要家向けの価格にはナフサ価格以外のコストの変動が加味されてこなかった。このため最近のように各種原燃料が急騰してくると、それに伴う諸経費の膨脹が同社の経営を大きく圧迫する事態となってきている。
 
 一方、同フォーミュラを採用していない需要家に対しては、前回(6月23日)打ち出した値上げの表明の際に諸経費の上昇分として同2円の転嫁を需要家各社に要請し28日までに多くのユーザーから了承を得ている。続いて同日発表した追加値上げでは、ナフサの再上昇分としての同12円に諸経費のアップ分としてさらに同3円を加えた合計15円の再値上げの了承を各ユーザーに求めている。諸経費のアップ分の転嫁額は合計同5円になる。
 
 それに加えて9月1日からは、ナフサフォーミュラー適用ユーザーに対しても同じく諸経費のアップ分として同5円のスライドを認めるよう要請していくことにした。最近は他のポリオレフィン企業の間でも同様の動きが活発化している。諸経費の拡大が異常といえるほど進んできたことに対処するためのもので、この成否も今後のポリオレフィン各社の行方を大きく左右することになりそうだ。