2001年05月21日
ポリプラスチックス、6月からCAE有料業務受委託サービスを開始
ホームページ内のデータも拡充、「エンプラ技術アドバイザー」を目指す
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:ポリプラスチックス

 ポリプラスチックスは21日、2001年6月1日からCAE(Computer Aided Engineering)の有料業務受託サービスを開始する、と発表した。
 対象は、同社の主力製品であるPOM(ポリアセタール樹脂)、PBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)および液晶ポリマー樹脂。構造解析、流動解析およぴそり解析の分野で、顧客の製品設計期間の短縮ならびに設計コスト低減など、サービスバックアップを行いたいとしている。
 エンジニアリングプラスチックは自動車、電子機器製品など等に欠くことのできない材料となっているが、最近は、材料性能の向上だけではなく、設計上の要求レベルも高度化、強度計算精度、寸法精度および寿命予測精度をより向上させることが強く求められてきている。
 こうしたニーズに対応するため、耐薬品性・耐油性・耐候性などの耐環境データ、疲労・クリープなどの長期機械的特性データ、耐電圧・誘電損失などの電気的特性データを完備すると共に、成形品寸法精度向上に必要なそり解析および流動解析技術の向上が不可欠になっている。
 これまでも同社は顧客の製品設計、トラブルシューティングなどへの適切なアドバイスを提供することがエンジニアリングプラスチックサプライヤーとして重要な業務のひとつであると考え、顧客の問題解決に必要とされる成形部品設計技術、射出成形技術の向上および試験設備の充実に努めてきた。現在では、こうした技術情報やノウハウの蓄積により、高度化・迅速化を求める顧客ニーズに応えられるテクニカルサポートシステムを備えていると自負している。
 同社は、創業以来約40年に渡って蓄積されたデータを、1999年10月からホームページ上で公開しているが、ホームページには、技術データだけでなく、新しい成形加工技術の紹介、応用例の紹介、強度計算・射出成形技術のシミュレーションなど、豊富なコンテンツを掲載し、月10万件を超えるアクセスがあり、毎月100件を越える問い合わせが寄せられている。
 また最近のテクニカルサポート業務の特徴としてCAE利用頻度の著しい伸びが挙げられるが、この背景には自動車、電子機器製品の開発期間短縮、コスト低減があると考えており、同社はCAEは重要なテクニカルサポート技術のひとつであると考え、CAE登場初期の段階から注力してきている。現在、CAEによる累計テクニカルサポート件数は3,000件を越え、数多くの適用事例の検証作業を通して予測精度も顧客が求めるレベルに達していると考えている。
 今回のCAE有料業務受託サービスの開始に引き続き、現在公開しているホームページ内のデータの拡充を図り、ソリューションビジネスとして、成形品部品の最適材料選定、形状設計、金型設計、試作品製作、特性評価などの「製品設計システムソリューション」から、成形トラブル解決、故障解析などの「トラブルソリューション」までを視野に入れた、顧客に信頼される「エンプラ技術アドバイザー」を目指していく方針。