2008年08月07日 |
汎用樹脂の対中輸出の不振がさらに長期化 |
6月も軒並み前年同月を下回る |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
ポリオレフィンなど汎用樹脂の中国向け輸出(香港向けを含む)の不振が長期化してきた。6月の対中輸出通関数量は合計6品目全てが前年同月の実績を下回り、その結果今年上期(1〜6月)トータルも軒並み前年同期を割り込むに至っている。 6品目の中国向け月間輸出量が全て前年同月の実績を割り込むのは今年に入ってこれが4度目。残る2度も、うち1度(2月)は6品目のうち4品目が、またもう1度(5月)は6品目中5品目がそれぞれ前年を下回っており、過半が前年を上回った月は一度もない。 うち前年同月割れの長期化が特に目立つのはLDPEで、同樹脂の場合は前年割れの連続期間が12ヶ月に達している。また、PPホモポリマーとPPコポリマーはともに7ヵ月連続、そしてPSとPVCはいずれも4ヵ月連続の前年同月割れとなっている。HDPEは5月が11ヶ月振りに前年同月超えとなって6月がどうなるかが注目されていたが、再び大幅な前年割れに戻った。 わが国の汎用樹脂の対中輸出の不振がこのように長引いている点について、大手商社や汎用樹脂メーカー筋では、中国の樹脂加工企業の多くが価格の高い海外の汎用樹脂全体の輸入を極力抑制する動きを強めていることが最大の要因と分析している。また、日本品の縮小の長期化には、原油・ナフサ価格の高騰によって中国向けの輸出の採算を維持できなくなった多くの樹脂メーカーが成約量の削減に踏み切っていることも少なからず作用していると見られる。 大手商社の多くは、日本からの中国向け輸出は7月にさらに大きく後退、8月も不振が続くと見ている。一方の国内需要も前年割れに転じている様子。樹脂メーカーの間では、大幅減産がいよいよ不可欠との発言も出始めている。 汎用樹脂の中国向け輸出の6月の実績と1〜6月の累計は別表の通り。 【関連ファイル】 汎用樹脂の6月の中国向け輸出数量と1〜6月の累計 https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1218093965.xls |