2008年08月07日
アジアのエチレン価格が一段安に
直近の中国のCFR価格は1,500ドル割れ
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 アジア地域におけるエチレンのスポット価格がここにきてさらに下降してきた。わが国の大手商社によると、最大の輸入国である中国の直近のCFR価格はトン当たり1,480〜1,490ドルとなっている。

 2週前に比べると同70〜90ドル、3週前に対比すると同110〜120ドル安い。今年のピークの6月中旬の平均価格を約140ドル下回っている。
 取り扱いトレーダの多くは同1,500ドルを維持したいとして需要家各社に容認を迫ってきたが、1,400ドル台半ばへの引き下げを強く求めるユーザーが増えてきたため譲歩を余儀なくされている。

 中国をはじめとしたアジア地域の需要家が値下げを特に強く要求しはじめたのは、原油ならびにナフサの国際スポット相場が反落し始めた3週前から。もともと需給に余裕があるにもかかわらずアジア地域のスポット相場が上昇傾向をたどってきたのは、原油とナフサのスポット価格が高騰を続け、それに誘発されてポリエチレンなど誘導品のスポット価格が急上昇してきたため。
 しかしこの数週間は、市場全体に原油とナフサの先安観が広がってきたことで売り手と買い手の立場が一気に逆転している。原油のスポット相場が反騰しないかぎりエチレンのスポット価格は引き続き弱含みで推移すると見られる。